ガイドの方にきちんと教わったら得ることがたくさんだった鷹ノ巣山

【きっかけ】

8月の濃霧の棒ノ嶺単独行で痛い、怖い思いをして以来、こりゃ独学ってか、好き勝手に登るのは危険、かつ奥深さってか醍醐味を味わえないと思いちょくちょくと地図読み講習会やら、机上学習会に参加している。

山行もきちんと指導者の方と登ってもろもろの知識を習得しようと思っていた。


そんな頃、登山雑誌の裏表紙に「奥多摩10座登山ツアー 鷹ノ巣山に登ろう」を発見。

昭島のアウトドア専門の商業施設「モリパークアウトドアビレッジ」が定期的に開催(企画、実施は旅行会社)しているアクティビティ。

昭島から現地まで送迎してくれて、現地に精通した自然解説員の方が周囲の動植物、登り方の指導をしてくれて、お弁当までついてくる。

まぁ、それだけで自分のニーズとはしっかり合致している上、ウェブ上のコンテンツを調べていくと

・峰谷側からの登山は、個人で行くには非常にアクセスがよろしくない

・これといって見るものがない淡々とした山だが、初心者のトレーニングには良い

・日原側からのコースは奥多摩3大急登と言われるくらいきっつい

などの情報にも後押しされ参加することに。


【課題ってか、目的】

今回の登山ツアー参加には自分なりにいくつかの課題を持って挑んだ。

①自然を知る

「針葉樹?広葉樹?そもそも木でしょ?」ぐらいの知識と興味しか無い都会育ちである。都会育ちでも地理とか生物とかしっかりやってればそれくらい知っているはずなのだが。

このまま独りで登っていても知らないまま終わってしまう確率90%以上。

自然解説員のかたにしっかりと教えてもらう。

②地形図とコンパスで地形を読む

せっかく地図読み講習会に参加して、しっかりと復習もしているのである。

地形図とサムコンパスを使って現在地がどのあたりなのか、この先の上りは楽なのか、きついのか、周辺の地形はどんななのかを予測する練習をしたい。

これができるようになれば棒ノ嶺でのトラウマは克服できるはずである。

③ストックを効果的に使えるように

やっぱ、50超えると膝に来ます。様々な状況でストックを効果的に使って膝への負担を軽減する登り方を開発したい。


こんなかんじでやることたくさんあったからでしょうか、初めての1,700m超えはあっという間で、思ったほどの負担もなく楽しく目的達成することができた。面白かった−。


【Gear】

道具オタクのわたしは、現地に行く前から山行が始まっています。

山なれしている人から見れば「そんなもんいらんだろ?大げさやな」ってものも含めて自分なりに最小限のセッティングで挑みます。

【朝からよ~】

7:30昭島集合なので、6:04発の京王線に乗り分倍河原⇒立川⇒昭島ルートで向かうべく家を出たが、京王線の路線保安員の方々がやたら走り回っとる、、6時前から。

嫌な予感とともに線路脇に出ると案の定、駅の踏切で電車が立ち往生。それも下り。

経験上、、ってか誰が見ても集合時間に間に合うはずないのは一目瞭然。

フル装備担いで最寄りの井の頭線駅まで2kmをダッシュ!

朝からとんだウォーミングアップである。

本来なら余裕で駅トイレをすまし、集合時間に間に合うはずが、駆け込みセーフ。


【鷹ノ巣山の由来】

バスの中で解説員さんが話してくれた話を元に鷹ノ巣山の名前の由来を調べてみると。

かつては日原側では鷹ノ巣山、奥の集落がある奥多摩湖側では入奥山とも呼んでいたらしい。

鷹ノ巣山の名称は日本国内にもいくつかあるようで、多くは徳川家の鷹狩り用の鷹の巣と雛を保護育成するための場所だったらしい。

常緑樹があって、岩峰など急峻な地形のところに多いとされ、特に稲村岩等がある日原側はその特徴をよく表しているらしい。


【天空の集落から登山開始】

本来、峰谷側からの登山ルートを個人で攻める場合、奥多摩駅から峰谷行きの西東京バスを利用することになります。

が、、平日は朝の6:15のあとはお昼の12:05。一本逃したらその日はおじゃん。

更に標高590mの峰谷バス停から登山口のある「天空の奥集落」標高950mまでは車も行き交うつづら折りの1車線舗装路を30分登ることとなる。

風光明媚ではあるが、、アクセスが悪いと言われる所以である。

今回のツアーマイクロは奥集落の奥、登山口手前まで運んでくれる。楽してすみません。


この辺り、かつては炭焼き、木の切り出しなどの林業で生計を営んでいたようです。現在は空き家も幾つか見受けられました。集落の中で標高差が300m(650m~950m)あるのは国内でもあまり類を見ない様です。


9:50

登山口の標識にはまだ新しい注意書きで「登山口10m先」とありました。

どうやら本来の登山口が崩れたようで、少しだけ迂回して9:50登山開始。

ちょっとわかりづらい登山口。


登り始めは石がゴロゴロした上り、途中から針葉樹の植林帯の森に変わります。

コナラやミズナラのどんぐり、クロマツやスギのまつぼっくりなんかが見て取れました。

(いままでそんなこと意識もしなかったけど、、、いろいろあるのね)


経験値の浅いわたしは、どれくらいの斜度を持って「急登」とよぶのかいまいちはっきりしないですが、この出だしもけっこう急だと感じました。

解説員さんが先頭でゆったりめのペースを出してくれていますが、単独行であれば、先を急ぐあまりハイピッチで息を切らしていたと思います。

左側も崖というほどではないですが、登山道の幅が狭かったり、一部崩落していたり、こういう場合は谷側のストックは使わないとアドバイスもらいました。


10:06

浅間神社の鳥居と石碑。


ちょっと調べてみた。

「浅間(せんげん、あさま)神社」は山岳信仰の一つでほとんどが富士山を信仰する神社らしい。

富士山の山容が眺められる地に多く存在し、全国で1,300社あまりの浅間信仰の神社がるらしい。

多くは山中に祀られた「山宮」と麓の集落の「里宮」と対を成して祀られることが多いとか。


ここの浅間神社も鳥居の先に祠とかあるから、こっちが山宮で、奥の集落とかに里宮があるのかな。


富士山を拝むときは登ってきて、噴火したりした時は里宮で祈祷するみたいな、昔話的なストーリーを想って見てみるとけっこう感慨深かったりする。


多分この辺りが標高1,000mあたりで、ここから1,300m手前あたりまでつづら折りのけっこう厳しい(と感じた)上りが淡々と続きます。


この300m弱の上りは解説員の方の設定するペースで途中2回の休憩をはさみながら90分位かけてゆったりペースで進みます。

これぐらいのペースで行くと心肺機能的に楽なのもありますが、周りの景色や地形が頭に入ってきます。地図を読む余裕もあるし。単独でもこれぐらいのゆとりを持って進むことが大切、というのがよくわかります。


Webから落とした地形図に磁北線を入れて持ってきてみた。

サムコンパス(親指につけて北を認識するだけのシンプルなやつ)は先日の地図読み講習で非常に使いやすかったので講師の方に分けていただいたもの。

ページのレイアウト上、写真は横にしてるけどね、、、w

急な尾根をスイッチバック(今日履いてたシューズもメレルのスイッチバックって名前です)のようなつづら折りを超えると、杉林が広がる上りコースに様相をかえました。

棒ノ嶺で痛い目にあった「悪魔の森」が思い出されます。

こういう場所でコースを見失った場合はどうすのか?今日はピストンだし帰りに聞くことにして皆さんのペースを乱さないように登ることに専念する。


11:00

1,200mの後半辺りから広葉樹のなだらかな地形に変わりました。

これはブナ?

地面も湿り気を帯びた落ち葉が広がり、なだらかな傾斜と落ち葉のクッションで一気に和みます。

このへんは湿っているから?きのこ類がたくさん顔を出しています。

なんか、こええ。


この辺りでの休憩は急にバードウォッチングタイムに。

コゲラやカラフルなヤマガラなどのキツツキが肉眼で確認できました。

毛虫でもいるのか木をついばんでおります。

そのほかにも、ヒガラ、カラスみたいな鳴き声のカケスという鳥がこの日はこの辺にいたようです。

こんな風にスギとかの木の皮が剥がれてしまっているのは鹿が食べたり角こすりをした跡だそうです。

このままぐるり一周皮剥いでしまうと立ち枯れてしまうそう。

丹沢や奥多摩はシカによる被害が多いみたいですね。

笹も50年で生え変わるって初めて知ったよ。まだ新芽は出ていないよう。


地形図を見るとここから標高1,500mあたりまでは広葉樹に囲まれた比較的なだらかな登りが続き、ピクニック気分。

あと小一時間もすればお昼のはずですが、時折おやつを口にはこぶ。

今日の行動食はオレオ、ビスコ、柿ピーをナルゲンボトルに詰め込んだミックスおやつ。

何が出てくるかはおたのしみ。


1,550mあたりで谷が急に深くなり始め、登山道は尾根を巻くようにトラバースしていきます。

先方に水場が見えてきました。

ってことは、避難小屋までもあとわずか。


12:06

鷹ノ巣山避難小屋到着。

標高はだいたい1,600mといったところ?

10時前にスタートして標高差約700mを2時間少々。

ペース的には少しゆっくりなのかな。おかげさまで疲れはほとんどない。

山小屋の温度計は14度を指していました。


小屋の中はこんなかんじ。以前、サラ金から逃げてる人が避難小屋に住み着いてるみたいなはなし、聞いたことあるな。


登りに関して言えばストックは推進力というよりテンポ、リズムを作っていく上で結構役に立ちました。

現時点ではいろいろ試行錯誤、模索しながら使っていると余計な仕事が増えるわけですが、その努力がかえって登る楽しみにつながった気がします。


ここでソフトバンクの電波は圏外であることに気がつきました。


トイレ休憩を済ませ、あとはピークを目指すだけ。

ピークまでの尾根道は防火帯ととして人の手が入っており、登りはきついものの、すごい開放感がありました。

直下の岩場は最後の頑張りどころ。


12:40

鷹ノ巣山山頂到着。

眺望が素晴らしいとされる鷹ノ巣山。1,737mの頂は時折日が差すも、残念なことに雲とガスがかかっていました。

登山地図を取り出し、周辺の大岳、御前、三頭山は確認できましたがそれ以外はあまりピンと来ませんでした。

山頂はおそらく12度前後でしょうか、、お弁当を食べ始める前に身体を冷やさないよう、ウィンドシェルを1枚はおりました。


五日市で積み込んだおばあちゃん手作りのおべんとはおこわとシャケのおむすびに、野菜の煮物。

おこわも煮物も濃いめの味付けで塩分を失った身体も味覚もシャキッとさせてくれました。

冬場のおにぎりは簡易カイロであっためてくると美味しく食べられるんだって。

おむすびと煮物の半分は帰りのバスのお楽しみに。満腹になっちゃうと午後辛そうだし。

13:15

今日はピストンで来たコースをそのまま下山。

下山ルート(もちろん登りもだけど)は豊富で稲村岩尾根から日原、石尾根を伝って奥多摩、それ以外にも奥多摩湖に降りる尾根ルートなど選択肢は豊富。


くだりでのストックは感覚としては「まんまスキー」。

足運びのリズムにもなるし、石や根っこで足場が不安定なところでは足つきのガイドになるし。

身体の前にストックつくと自然と前傾になるから腿やひざ、足指の疲労度が違う感じがしました。

普段、この距離降りたら足指の爪が痛くてたまらないけど、今日は全然平気でした。


虫こぶ


ブナの葉っぱに付いたワンポイント。

正体が虫の卵ちゃんだったとは、、知らなかった。

ほんと、なんもしらんな。

ブナの葉っぱを好んで卵を産み付ける虫ちゃんは10数種類いて、産み付けられた葉っぱが自身を守るべく異常発達したのが虫瘤らしい。

荷物についたまま、自宅に持ち帰ってふ化したら、、ブルブル。



15:45

そんなこんなでストックつく練習を楽しみながら無事下山。

やまのなかには秋が感じられるコンテンツもちらほら。

一日のコースだけど、いろいろ教わるとこんなにも収穫がありました。

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